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2014年11月30日 (日)

「ジョークにしないか」

静かで控え目で、言ってしまえば地味な曲ですが、押さえつけた気持ちは相当に圧縮されているようで、今にも噴き出そうなと言うか少し噴き出てしまった気持ちに収拾がつかないで、「ジョークにしないか」と懇願しているような、そんな印象の歌です。

「笑ってくれましたか それならいいんです」と、うっかり滑った口を取り繕うような冒頭から、「うとましがられるより そんな奴がいいんです」という王道的な臆病な態度、その辺りまでなら勇気を出せ、とか当たって砕けろ、など気楽に助言も送れますが、「愛なんて軽いものだ 会えることに比べたなら」に至って、これは他人には口出しできないほど純然とした切実な気持ちである気がします。
「伝える言葉から伝えない言葉へ」という短い詞に、気が遠くなるような心の経緯、葛藤が含まれているような気がして、そうやって時間をかけて結晶化した想いは多分外気に触れると溶けて無くなってしまうので、必死でなかったことに、ジョークにしてしまおうとしているのだと思います。

そんなわけで改めてこの曲の印象をまとめると「切なくて、情けない」ですが、考えてみれば初期からずっと続けられているテーマのようなものにも思えて、デビュー40年たっても今なおその感覚を持ち続けていることに驚愕する次第です。

2014年11月24日 (月)

「麦の唄」

シンプルで伸びやかで、確かに「明日へ育っていく麦」をイメージできる曲で、朝ドラに相応しい、と安易に書くと怒られるかも知れませんが、前向きで明るくて朝に聞くならやっぱりこんな歌がいいな、と思います。

歌詞もとてもストレートで、「なつかしい日々 なつかしい風景 その総てと離れても あなたと歩きたい」という、これまでの中島みゆきの望郷の歌を聞いていたらにわかには信じ難いフレーズがのっけから出てきて驚かされます。
中島みゆきの歌の故郷とは、何かもかもを包み込む安らぎの地でありながら、そこに帰ることはできない、極めて情念的なものであって、自分から離れることを宣言するなんて一体中島みゆきに何があったんだ、とさえ思います。
ただし、歌全体としてはやはり故郷に未練たらたら、とも解釈でき、何度も何度も故郷に別れを告げることで逆にその愛の大きさを確認しているようでもあります。そう思って聴くと、「どんなときも届いて来る 未来の故郷から」の語尾の長さに限りない郷愁と、それでも他郷で生きていくこと決めた決意の強さを窺い知ることができるような気がします。

月並みな解釈ですが、麦に県境とか国境とかはないわけで、どんな地でも育っていく強さの象徴であると思います。新しい地で泣き笑いしつつも強く生きていく、そんな生き様を歌った曲であると思います。

2014年11月17日 (月)

「愛詞(あいことば)」

アルバムの1曲目はパンチが効いている曲が多いというか、強力なインパクトを残す曲が多かった気がしますが、この曲はインパクトがあるというよりは普遍的な中島みゆき節、中島みゆきの歌声が堪能できる曲で、シンガー中島みゆきが健在である、ということを分からしめるような曲だと思います。

そしてソングライター中島みゆきも健在なわけで、「わかる人にしかわからない」、「それでいい」という非常に限定的な愛が歌われています。筆者が以前から感じる中島みゆきの愛とは博愛ではなく、特別で替えがきかない愛で、しばしば一方的で、それ故に激しく感情を揺さぶるものであると思います。「心の扉の鍵になれ」と、この歌でも「あなた」の心の扉は閉ざされていることが示されています。閉ざされた心の前で何度も何度も愛の詞を投げかけて、わたしとあなただけがわかっている、むしろ他人にはわかってほしくない、というような、小さくて深い愛を歌っていると思います

と、歌詞を解釈するといわば偏狭な歌でありながら、聴いてみるとそういう印象は薄いのはやはり中島みゆきの歌のマジックなのか、「わかる人にしかわからない」と言い放ちながら、聴く側は理屈が分からずとも気分はわかるような、そんな有無を言わさない説得力がある曲だと思います。

2014年11月 9日 (日)

再開のお知らせ

しばらく休んでおりましたが、11月12日に新アルバム「問題集」がリリースということで、ブログを再開したいと思います。以前と同じく週1曲、おそらく土日に更新というスタイルでやらせて頂こうと思います。

考えてみれば40枚目にして初めて「新」アルバムの感想をリアルタイムで書くことになります(週一更新ですが)。私から見れば今までのアルバム曲もほとんど皆新曲で新アルバムみたいなものでしたが、ここに来てついにファンの人たちとも位相を揃えて新曲を聴くことになるわけで、ある意味、冷却期間を置かないままに熱いファンの方々と激論を交わす……ことになったらどうしようと今から戦々恐々としている次第です。でも、中島みゆきのファンは異見にも意外と(失礼)寛容的であることも分かってきたので、またこのマイペースを見逃して欲しい、と思う今日この頃です。

休止中に頂いたコメントにも順次返信を書きたいと思っています(これまで単にさぼってただけです、すみません)。特に3ヶ月くらい前に再開の予感を空振りさせてしまった盗賊さんにはごめんなさい、とこの場を借りて謝っておきます。

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