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2013年4月28日 (日)

「負けんもんね」

何だかキツくて辛くてボロボロで希望までも踏みつけられた人生、それを延々歌っておきながら、「が、負けんもんね」とヤケのような、どういう根拠もないような、それでいてひたすら本気を感じる一言に元気づけられる不思議な曲だと思います。

「負けん」という響きがこの歌では大事であるような気がします。勝つではなく負けん、であり、「試すなら試せ」、「負けとる場合じゃない」という詞からも、何か大きな力に潰されそうになりつつも、そんなことよりもっと大事なことがある、何かを無我夢中でやり遂げようとしている感があります。それはやはり希望と呼ぶべきもので、ただ耐え忍ぶだけでなく、絶対に潰されないぞ、と気力を奮い起こすような何かがあるわけで、それが聞いている者までも勇気づけるのだと思います。

と、言っても歌詞だけ見ているとやはり強がりとしか思えない気もして、しかし歌を聞くと希望があるような気がする、理屈というよりは中島みゆきの歌から伝わってくる気迫がそう思わせる、歌の力、歌の持つ説得力を感じさせる曲だと思いました。

2013年4月21日 (日)

「鷹の歌」

或いは中島みゆきの体験談か、と思う程具体的な描写で始まる曲で、さほど人生経験があるわけではない筆者にはピンと来たわけではないですが、それでも誇り高い鷹の生き様とそれを見た感動が伝わってくる歌だと思います。

「私」は「見てはいけないようで 私の視線はたじろいだ」というように「鷹」への同情や憐れみ、或いは幻滅、或いは時の流れの残酷さへの恐れ、そんな感情を抱いているように思います。それに対してただ「見なさい」と応えるのは、それらに対する否定でも怒りでもなく、また、老いて衰えることを無理に美しいとか素晴らしいとか言っているわけでもなく、「怖れるなかれ 生きることを」と言うように、ただ恐れずに真っすぐ受け止めているようで、「私」は傷ついても衰えてもその精神がなお屹立していることに感動を覚えているのだと思います。

「鷹と呼ばれていた人が 這うように命を運ぶ」という流れが美しく歌われていますが、やはり憐れみではなくて畏敬がこもっているのだと思います。生きることの強さを考えさせる深みのある曲だと思います。

2013年4月14日 (日)

「ごまめの歯ぎしり」

どことなく冷めていて、自分も含めた何もかもに呆れているような皮肉な歌詞、メロディアスだけどどこか淡白で盛り上がらず繰り返される演奏、そんな雰囲気が初期の中島みゆきを髣髴とさせる、と思いましたが、それよりも何か苦いものでも口に含んでいるかのような歌声が印象的で、「ごまめの歯ぎしり」というタイトル通り、割り切れないものを抱えたまま歌い続ける、変わらない中島みゆきの姿が見えるような曲だと思います。

不平不満をどうにもできずに、1人でお茶を飲んだり、星を見たりするのは「ごまめの歯ぎしり」という言葉さえ当たらないような気がするのですが、どちらかというと同じく歌詞に出てくる「高い樹にあるブドウはどうせ酸っぱい」という言葉がこの歌の心情に近いような気がします。なすすべのなさ、どうせダメだからという諦め、それでいて捨てられない羨望、失敗したらもう立ち直れないという恐れ、そういう、あの日のように単純明快になれない煮え切らない気持ち、言ってしまえばウジウジした気持ちを皮肉やら語彙やらでコーティングして、歌に仕立て上げているように思います。

特に前向きでもなく、解答が歌の中で見つかるような曲ではないと思いますが、それもまた良いような気がします。いつまでも続く自問自答を描いた悩み深い夜の歌だと思います。

2013年4月 7日 (日)

「サメの歌」

変な歌、という小学生並みの感想が湧いてきましたが、妙な言葉の切り方、字足らず感、素っ頓狂な雰囲気の演奏、そして「サメの歌」と言いつつ、サメのことを歌っているようには思えない歌詞など、ピンと来る人はやや少ないのではないか、と思います。

わからないなりに解釈すると、「なまものは後ろへ進めない」という詞で「なまもの」という言葉をあえて使うことで「魚」であることを、リアルで生々しく、痛みやすいその姿を多少の自嘲とユーモアをこめて表現していると思います。大事なものを忘れたり、落としたりしながら、戻りたいと思ったところで戻れない、前に進むしかない、そんながむしゃらな人生、決して思い通りではない傷だらけの人生に哀愁と愛情をこめて「サメよ サメよ」と呼びかけているのだと思います。

「真夜中の動物園」というタイトル通り、動物に関わる歌が多いかと思います(この歌は動物園と言うか水族館という感じですが)。そこには動物の生態、というより人生の縮図は描かれているようであり、中島みゆきの歌を通じて様々な人間模様が見えてくるようだと思いました。

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