「仮面」
軽い調子の、一聴すると肩の力が抜けているように聴こえる曲はかえって辛辣で、ひどい言葉を投げかけていることが多いような気がしますが、この曲も容赦なく人を叩きのめす言葉が並んでいます。しかし、攻撃的というよりは、むしろ激しくよりかかっているような感じであり、抱きついてそのままもろともに海の底へ沈んでいくようなべったり感と、そしてやりきれなさが漂っています。
仮面とは「あたし」のことなのか、「あんた」のことなのかよくは解りませんが、確かにこの曲では素顔だとか真実だとかそんなものは一個も見えてなくて、むしろ何も見えない、何も見られていない、それなのに心ばかりは未だにとらわれているという一点、そこに感情を集中しているように思えます。
虚構そのものの愛に身をよじっているような、そんな嘆きと虚しさがタイトルにこもっているように感じました。
勿論、辛辣な言葉は仮面で、本当はあなたを愛しているのよ、と言う風にも解釈できますが、本当か、仮面か、というところは重要ではなく、やりきれない愛が報われない愛がただひたすら「あたし」を悩ませる、そういう心そのものを歌った曲だと思います。

コメント